ウェイン・ショーター(ts)が世間から注目されれようになったのはマイルス・バンドに入ってからでしょうから、この作品はその5ヶ月前のもので、JMに在籍している時にあたります。参加メンバーは、当時コルトレーンのもとの黄金クァルテットで活動し、この録音の2日前には「クレッセント」を吹き込んでいたマッコイとエルヴィン。そして以前はこの二人とリズム・セクションの一端を握っていたレジー・ワークマン(b)が参加しておりますし、トランペットには2ヶ月前にブルー・ノートへ「サーチ・フォー・ザ・ニュー・ランド」を吹き込んだリー・モーガンが参加しております。ちなみにこのモーガンの作品にショーターも参加しております。
独特のショーター・スタイルをハッキリとここで確認することは出来ませんが、その息吹などのようなものはタイトル曲を含めていたるところに感じられます。後年のショーターの活躍を知らずにこの盤を語れば、コルトレーンのバックを借りてモードの雰囲気を楽しんでいる好盤、といったとこでしょう。