日本で人気の高いマクリーンでも、1960年代後半のマクリーンを好きで聴いている人は、僕の周りのマクリーン・ファンでもいないです。このコーナーでマクリーンを取り上げるのは5枚目になりますが、他は全て1950年代のもの。ウディ・ショウ(tp)やディジョネット(d)という僕好みの方が参加していますが、僕もこの時代のマクリーンはジャズ聴き始めの時に買って数回聴いただけの盤ばかり。何せ、このジャケですからね。
マクリーンの狙いは、この時代の潮流である革新性を狙ったタイトル曲であろうが、聴く方としてはどっかで聴いたことがある綺麗なメロディの「トーイランド」であろう。力を入れずにサラッと流した演奏のマクリーンに、1950年代同様の独特の歌心を感じるな。その意味ではウディ・ショウの名曲「スイート・ラヴ・オブ・マイン」も、至極の美しさの中でマクリーンのアルトに泣かされるね。ウディ・ショウのペットにも酔いながら、構えずに本心を無意識のうちに出てくるマクリーンのアドリブを堪能出来る1枚だと、14年振りに聴いて認識出来ました。