2001年3月14日掲載
Charlie Parker    Story on Dial New York Days
Dial原盤             1947年録音

 今リストを見たら、パーカーはこのコーナーへ初登場になりますね。彼の活動歴を、吹き込んだレーベル毎に分けると、サヴォイ、ダイアル、ヴァーヴというようになりますね。

 西海岸で活動していたパーカーは、1947年に入ると昔の仲間がいるニューヨークに戻り、マイルスなどと演奏を始めました。ドル箱パーカーに逃げられたダイアルは彼を追いかけ、何と本社を西海岸からNYに移しました。それで録音されたのが、本作品。と言っても本日取り上げるのはベスト盤で、パーカーの最良のソロが聴けるテイクだけを選んだものです。計3回の録音を集めたのですが、メンバーはマイルス(tp),デューク・ジョーダン(p),トミー・ポッター(b),ローチ(d)で、最後のセッションにはJ.J.ジョンソンが参加しております。ベスト盤をここで取り上げるのは初めてですが、その編集意図のパーカーのアドリブだけに的を絞って今夜は聴いてみます。

20010314

 3分弱の演奏時間で、パーカーとマイルスの強烈なソロが飛び出してくるので、演奏時間の面で物足りなさが残ってしまう。こんな不満が出てくるほどの、熱演。今夜はバラッドに惚れ惚れしました。「バード・オブ・パラダイス」での優雅なメロディとアドリブ。パーカーのアドリブは、原メロディの魅力を感じさせながら大胆に展開させていくもの。彼の魅力を、このベスト盤の選者である大和明氏は、「インプロヴァイザーとしての比肩しうる者なき豊かな創造性」と表現していますが、原メロディの持味を最大限に活かしてのアドリブを堪能することで、その言葉の意味を誰でも実感出来ることでしょう。