2000年8月16日掲載
Eddie Daniels       First Prize
Prestige原盤       1966年9月録音

 12歳からクラリネットを始めたエディ・ダニエルズは、その後テナー・サックスを学び、25歳の時にウィーンで開催された国際ジャズ・コンテストのサックス部門で1位に輝きました。この作品のタイトルはそんなところから名づけられたのでしょう。ローランド・ハナ(p)、リチャード・デイヴィス(b)、メル・ルイス(d)が脇を固めています。この後ダニエルズはサド-メル楽団に入り華々しい活躍をしたのですが、1970年代半ばからはテレビに活躍の場を移し、ジャズ・シーンから暫く消えることになりました。1980年代半ばにはジャズ・シーンに復活しましたけどね。彼の活動歴のスタート・ラインに位置する本作品は、やはり活きの良さに期待しますね。

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 いろんなサックス奏者の影響が垣間見えるけど、悲しい音色っていうのが彼の持味でしょう。ハナのピアノと相性バッチリであることも合間って、1枚通して飽きさせない盤になっています。しかし名盤とは言われない理由は、さらに踏み込んだ個性の発揮が感じられないことですね。作曲家としてのダニエルズにも感心しますし、クラリネットとテナー・サックスを巧みに吹いていますし、何よりもその音色が良い。

 1980年代にクラリネットに絞った演奏で人気を博したそうですが、機会があれば20年近く経ったダニエルズの成長振りを聴いてみたいです。