ジャケットには 端正な顔立ちで写っているルー・レヴィは、ピート・ジョリーやラス・フリーマンと並ぶ、ウェスト・ コーストの名ピアニストだそうです。サイドマンとしてはその演奏を何度も耳にしてきており、人気ピアニストだったのでしょう。この作品は、彼が26歳の時にノクターンというレーベルに吹き込んだ、ピアノ・トリオ作品です。恐らくは、彼にとって初めてのリーダー作品でしょう。僕はフレッシュ・ サウンドから復刻されたLPを持っているのですが、一説によると、ノクターンからは発売されなかったとのことです。
両面合わせて30分に満たない収録時間ということもあり、あっという間に聴き終えました。センスの良さを土台にした軽やかな演奏が、若き日のルー・レ ヴィの姿です。この後彼は、RCA,MGM等の大手への吹き込みを中心に、1950・1960年代の活動を行っていきました。1970・1980年代も作品を発表しており、これらの長い活動と多くの作品を通して、どのように演奏スタイルを変えていったかを、機会があれば聴き取りたいと思います。そんな気持ちになる、その後が非常に楽しみな若さが感じられる作品です。