2000年3月20日掲載
Lou Donaldson     Sunny Side Up
Blue Note原盤     1960年2月録音

 ブルー・ノートのアルト吹きですぐ思い出されるのは、マクリーンとこのルー・ドナルドソンではないでしょうか。この作品での注目点は、ビル・ハードマン(tp)との2ホーンであることと、前作“タイム・イズ・ライト”から引き続き参加しているホレス・パーラン(p)の演奏でしょう。日本のファンから愛されている彼は、近年ではファンキー・ブームで注目を浴びましたが、全盛時代の彼の演奏を今夜は楽しみます。

20000320

 パーカー直系と言われるルーの演奏を、ストレートに聴ける1枚です。茶目っ気タップリの演奏が持ち味の一つの彼ですが、“the man I love”では、ゆったりと、そして切なく吹くテーマの後に、一転して陽気に吹きまくっています。最後までテーマ・メロディが出てこないのですが、メソメソしないで人生楽しく生きようよという、この曲を通しての彼の考えが伝わってきますね。“the truth”という彼のオリジナルのミディアム・テンポのブルースでは、アドリブにおける彼の想像力の高さともに、メロディー・メイカーとしての彼の資質の高さが分かります。理屈抜きに楽しめる好盤です。