ジェラ ルド・ウィギンス(p)といえば、やはり“80日間世界一周”が真っ先に思い浮かびますね。1942年に サッチモのオーケストラに加わり、その後ベニー・カーター楽団に入りました。軍隊バンドを経て、 1950年にはリナ・ホーンの伴奏者になり、1951年からは自分のトリオでマイナー・レーベルに吹き込みを行っていました。この作品はそんな時期のピアノ・トリオ作品で、この前年にはケイ・スターの歌伴を務めていたそうです。
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ウィギンスの魅力は、軽やかな高音。そして時折低音が効果的に繰り出されることです。右手と左手の絶妙な技で、酔ってくつろげる作品に出来あがってます。ピアノが歌っており、その意味で歌伴奏者として人気が高かったのでしょう。マリリン・ モンローの歌唱指導を彼は行ったそうですが、これはウィギンスの歌への理解力を示すエピソードですね。