2000年2月3日掲載
Helio Alves      Trios
Reservoir原盤    1997年8月録音

 ヘリオ・ アルベスと発音するのでしょうか、このピアニストについての経歴はこの作品のライナー でしか情報を入手できませんでした。1966年生まれの彼の両親はともにプロではありませんが、ピアノを弾いていたようです。6歳からピアノを始めたヘリオは、12歳の時にチック・コリアとゲイリー・バートンのライブに接し、ジャズに魅せられました。バーク リーで3年間音楽を学んだ後NYに進出し、プロとしての活動を始めました。この作品が 彼にとって最初のリーダー録音か否かは、ライナーからは読み取れませんでした。ベースにコリアのバンドでお馴染みのJohn PatitucciとNilson Mattaが参加しています。ドラムにはAl Foster、Duduka DaFonseca、Paulo Braga が加わっており、曲ごとに一人づつ参加 しているトリオ作品です。彼のオリジナルや、カルロス・ジョビンやパウエルなどの曲を合計10曲演奏しています。

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 派手さはないけど、アット・ホームというか落ち着いた堅実なピアニストです。この作品ではベースが二人参加しているのですが、軽やかなパティチュッチと力強いニルソン・マッタと、其々違う色を出しており、ヘリオのピアノも若干ながらもその違いの影響を受けています。どちらかと言えばパティチュッチの勝ちかな。ガーシュイン作の“my ship”と、ジョーンズ作となっている“there is no greater love”で、ベースの軽やかさとピアノのくつろぎが堪能出来ます。またヘリオ 作の“bebe”では、この作品で一番のソロを二人が展開されています。このヘリオ、次の作品ではどんなメンバーで演奏するのかが、楽しみです。