2000年2月15日掲載
George Garzone     moodiology
NYC原盤        1999年録音

 昨年の12月27日に取上げたabby & norm group でゲスト参加していたジョージ・ガゾーン(ts,ss)、そこで初めて彼の演奏に接しました。思いきって吹きまくるオードドックスな演奏でしたが、彼にとって久方ぶりになるそうであるこのリーダー作品で、ガゾーンの実像が聴けることでしょう。Kenny Werner(p)という安定したピアニストを得ての、ヴァイブ入りのシクステット作品になっています。ガゾーンのオリジナルに混じって、“summertime”“naima”“soul eyes”“I'll remember april”というお馴染みの曲が演奏されています。

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 これを聴く前にCDプレーヤーにコルトレーンの をセットしておいたのですよ。このガゾーンをかけ始めたとき、CDディスクを交換するのを忘れたのかと思いました。それ程、最初の2曲はコルトレーンの、アトランティックからインパルスにかけての雰囲気です。でも聴き込むと、コルトレーンから深遠さを薄めドライブ感を増したのが、ガゾーンの味ですね。その意味では、“summertime”と“soul eyes”での空虚感を漂わせたスロー演奏に、ガゾーンの本質があるのでしょうか。シクステット編成と先に書きましたが、基本はクァルテット。2曲だけのシクステットでの演奏では、明るく楽しい姿があります。全体の構成にメリハリがあり、ガゾーンのサックスとワーナーのピアノ、そしてベースのJohn Lockwood の好演が光っています。テクニックの高い独特の個性を感じさせるサックス奏者の、レベルの高い作品です。 サックスのリーダー作品として、お薦めの盤ですよ。