2000年1月19日掲載
Herbie Hancock      Takin’ Off
Blue Note原盤        1962年5月録音

 大御所ハービー・ハンコックの初リーダー作品で、“ウォーター・メロンマン”で有名なアルバムです。この曲は、1973年にハンコックのエレクトリック・バンドのヘッド・ハンターズでも取り上げられており、そちらで慣れ親しんだ方も多いでしょう。フレディ・ハバード(tp)、デクスター・ゴードン(ts)、ブッチ・ウォーレン(b)、ビリー・ヒギンズ(d)という、参加メンバーです。久しぶりに聴く“ウォーター・メロンマン”が楽しみであると同時に、全6曲がハンコックのオリジナルの中で、他に素敵な曲があるのかが楽しみです。どーしても、西瓜売りの印象が強いですからね。

20000119

 いきなり話しがそれますが、僕がジャズを聴き始め た頃に東芝は、ブルー・ノートの1500番代を番号順に発売するという快挙を行いました。その際に封入されていた解説のコーナーの一つに、“ブルー・ノート私の10枚”というのがありました。ジャズに造詣が深い方々が書かれていまして、初心者の僕には大変役に立ちました。その翌年に東芝は、 4000番代をセレクトして発売したのですが、そこでは解説の中に“ブルー・ノート私の10曲” なるコーナーがありました。この作品では「タカノ」という門前仲町にあるジャズ喫茶の店主が、 コメントを寄せています。氏は“ウォーター・メロンマン”を筆頭に10曲を選んでいましたが、こ の曲は1960年代のジャズ喫茶で大人気だったようです。メロディの楽しさ溢れるこの曲ですが、こ のアルバムには他に“three bags fall”という新主流派の流れを感じさせる曲も聴きモノになって います。“alone and I”では、美しいスロー・バラッドのメロディを堪能出来ますよ。全編通してハバードとゴードンの熱演が、この作品を盛り上げています。話しまたそれますが、前述の解説のコーナーの原稿料は、焼き鳥屋で軽く一杯飲む程度の金額だったそうです。