2000年1月15日掲載
Ronnie Mathews      doin' the thang
Prestige原盤           1963年12月録音

 フレディ・ハバードのブルー・ノート盤“ブレイキン・ポイント”でのピアノ演奏で、この作品の主ロ ニー・マシューズが印象に残っている方も多いことでしょう。その前年に吹込まれたこの作品にも、ハバードが参加しています。チャールス・デイヴィス(bs)、エディ・カン(b)、アルバート・ヒース(d) が参加しているこの作品、マシューズの代表作と言われています。

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 A面のマシューズ作の3曲が圧倒的な出来です。 1曲目の“thang”、辞書には載っていないのでこの曲名はスラングだと思いますが、ミディアム・テ ンポの曲で、スィング感豊な演奏が楽しめます。ハード・バップの香りを残しながら、モードから発展していく新主流派の色が垣間見られる演奏です。2曲目の“ichiban”、これは「一番」のことでしょうね、ミディアム・テンポのマイナー曲で、唯一のソロを取るマシューズのピアノが、真面目と不良が混ざっているような、独特の味わいがあります。3曲目の“the orient”、曲名からは嫌な予感がし ますが、中身は迫力のあるアップ・テンポの曲です。ハバードのソロは勢いがいいし、バリトン・サックスに続くマシューズの演奏は、何かに取りつかれたような幻想的な演奏です。日本でもっと高い評価を得るべき作品です。