ジャック・マクダフ(or)、ジーン・アモンズ(ts)、この組合せによるレコーディングも、プレスティッジにとっては当然の成り行きなのでしょうね。この手のセッションとしては珍しく、エディー・ディールというギタリストが参加しています。ジョー・デュークス(d)、ハロルド・ヴィック(ts)という方と共に、リーダーの二人意外は無名のメンバーです。
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僕は東映の黄金時代のヤクザ映画が好きなのですが、特に「仁義なき戦い」5部作では、各役者が圧倒的な存在感を示していました。広能の文太・親分の金子・成田・小林旭・松方・槙原の田中という主役クラスは勿論、 当時は大部屋俳優だった川谷拓三までも、画面に登場するだけで強烈な印象を与えてくれていました。 同様にこの作品では、アモンズは存在感の塊であり、吹き始めると彼独特の世界が一気に広がります。 マクダフのオルガンはいつもながらにソウルフルなのですが、ホレス・シルバー作の“strolin”での メロディを大切に演奏する姿が、彼にしては新鮮なものに思えて、楽しめました。ギターは、ソロではこけた演奏をしてますが、好バッキングで全体をリズミカルなものにしています。