1999年8月7日掲載
David Murray      conceptual saxophone
cadillac原盤       1978年2月録音

 テナー・サックスだけのソロ演奏の作品です。これまでもマレイは、2作目の“low class conspiracy”やジェームス・ニュートンとのデュオ・アルバムの中でテナー・ソロの演奏を行って きましたが、あくまでアルバムの中の1曲だけでした。今回は全ての曲がソロ演奏です。この2月 の6・7日の2日間、フランスの劇場でソロ演奏のライブを行い、3枚のアルバムで発表しまし た。また前作と同様に、レーベルは全て別でして、本作はイギリスのレーベルからの発売です。

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 ソロ作品が発表されている楽器で直ぐに思いつくのは、ピアノでしょう。続いてギターかな。コードを弾ける楽器、またリズムをとりながらメロディを弾ける点がポイントでしょう。その意味では管楽器はキツイところがありますよね。 特に管楽器の場合は、アルバムの中に1曲ソロ演奏があるだけだと楽しめるのでしょうけど、アルバム1枚を通してとなると厳しい感じがします。で本作品の場合、マレイの奥深いスピリットが随所に垣間見れるのですが、やはりリズム・セクションが欲しくなるのは僕だけではないでしょう。 ちなみにここで演奏されているエリントンの“come sunday”は、マレイが初めて取上げたジャズ・ ジャイアントの作品です。