1999年8月1日掲載
Phil Woods      woodlore
Prestige原盤       1955年11月録音

 白人アルト奏者フィル・ウッズの、以前に紹介した“ポット・パイ”に続く2作目のリーダー・アルバムで、彼の最高傑作と言われている作品です。パーカーに心酔していている彼が、ワン・ホーンで吹き込んだもので、ピアノにはジョン・ウィリアムスが参加しています。若き日の彼の吹っきぷりが楽しみですね。

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 メロディをどう詠うかが、ジャズの魅力の一つでしょうね。ジャズを聞き込んでいくとアドリブに興味が集中することがあります。それはそれでジャズの魅力の一つなのですが、ともすると歌の魅力を軽視しがちになるのではないかなぁ。このアルバムではその歌の魅力を、存分に楽しませてくれます。バラッドの“フォーリング・イン・ラブ・オール・オーバー・アゲ イン”で、その極みが聴けますよ。“ゲット・ハッピー”では、1960年代に一世を風靡したヨーロピアン・リズムマシーンでの演奏を予感できるような、アップ・テンポなものになっています。強いて不満を言えばバックがパッとしないことなのですが、そんなことを不満に感じさせないウッズの演奏の充実が、この名盤を作りあげています。