1999年8月19日掲載
Jackie McLean      4,5&6
Prestige原盤      1956年7月録音

 アルト奏者ジャッキー・マクリーンにとって3作目の、プレスティッジでは2作目のリーダー・アルバムです。ダグ・ワトキンスのベース、アート・テイラーのドラ ム、マルのピアノというリズム・セクションを従えて、曲によってこのカルテット、ペットのドナルド・バードを加えたクィンテット、さらにモブレイのテナーが加わったシックステットという、3つの編成での録音になっています。アルバム・タ イトルも、このことから付けられたものです。マクリーンはこの録音当時はミンガ スのジャズ・ワークショップの一員であり、この録音の後にジャズ・メッセンジャ ーズに加入しています。

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 本来はスローなスタンダード曲“ホワイ・ワァズ・ アイ・ボーン”“ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ”を、マクリーンはアップ・テンポで 演奏して、衝撃的なものにしています。テンポによって曲がこうも変わるのかを、ハードなア タックによる素晴らしい演奏で教えてくれています。またこの2曲はカルテットでの演奏で、マクリーンのアルトをじっくりと堪能出来ますよ。ではスローな演奏はどうかというと、マル作の“アブストラクション”が哀愁を帯びた良いですね。マクリーンはきっちりした輪郭で演奏し、感動的なのになっていますよ。この時期はまだコルトレーンやオーネット・コールマン からの影響がなく、パーカーの味をマクリーンなりに消化しており、この頃の彼の代表作でしょうね。