“モダン・ドラムの開祖”と呼ばれるケニー・クラークは、1940年代の大活躍の後、MJQの結成ドラマーになるのですが、音楽上の対立から脱退し、以降フランスを中心にして活躍していました。そんな中で1950年代半ばにはサボイのハウスドラマーとして数年間に数々のアルバムに参加しており、このアルバムはそんな中で録音されたものです。トランペットにこの時期最も充実していたドナルド・バードと一緒なのは楽しみなのですが、不安なのはトリスターノ派の二人が参加していること。アルトにジョン・ ラポータ、ピアノにロニー・ボールなのですが、ジャケトもラポータの大写しでクラークは隅に小さく写っているだけ。演奏はどーなのかな。
アルトのラポータはペットのドーハムと良い絡みを聞かせています。熱いトランペットと、落ち着きながらしっかりと吹くアルトの競演が最初から最後まで聞けますよ。リーダーのクラークのドラムはバッキングに専念していて、ホーン2本をしっかりと支えています。