1940年代から数々の楽団で活躍してきたトランペッターのレッド・ロドニーは、1950年代は麻薬で何度か演奏活動を中断していました。このアルバムはそんな中で、テナーにアイラ・サリバン、ピアノにトミ・フラ、ベースにオスカー・ペティフォードを迎え、ドラムはA面がフィリー・ジョー・ジョーンズ、B面がエルビン・ジョーンズになっています。またA面はスタンダード、B面はロドニーのオリジナルが中心です。どちらのサイドが良いか、興味津々です。
曲を楽しむならA面、ロドニーのテクニックを満喫するならB面、というとこですね。A面の“star eyes”では、ロドニーとサリバンがリラックスした雰囲気の中で口ずさみたくなるようなソロを展開しており、この曲の明るさを活かしています。また最初と最後のペティフォードのベースのタッチが演奏にアクセントを添えていますよ。B面の“red arrow”ではロドニーがすごい速さでソロを 吹いています。所々で聞いたことのあるフレーズをちりばめながら、テクニックの凄さを聞かせています。全体を通しての印象では、彼のペットにもう少し重量感がでれば、良いのですけどね。彼はビッグバンド向きなのでしょうね。