1999年4月1日掲載
The Bud Powell Trio
Roost原盤       1947年録音

 モダンピアノの開祖であり、その後のジャズピアニスト全てに影響を与えたバド・パウエルの、その真髄が聞ける名盤中の名盤です。またピアノ、ベース、ドラムというトリオフォーマットを作り上げたのも彼です。久しぶりにじっくりと聞きます。

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 神業と呼べるテクニックと共に、表現の仕方が言葉では言い尽くせない素晴らしい演奏になっています。この1枚を手本にして多くのピアニストがピアノトリオの作品を、今日現在に至るまで吹き込んでいます。ジャズ界の教科書的名盤の中には一般には親しまれないものがありますが、これはその内容の画期性だけではなく、愛着を持って聴き続けられています。この1947年の録音は当然10吋で発売されましたが、現在では1953年のルーストへの録音と合わせて12吋で発売されています。麻薬と精神病でのブランク明けの録音なのですが、神業は若干薄れてきているものの、以前とは違った表現力を見せており、この後のブルー・ノートへの素晴らしい吹き込みを充分に予感させるものになっています。いずれにしても全ジャズ ファン必携の名盤です。