1999年2月14日掲載
June Christy      something cool
Capitol原盤     1960年4月録音

 ケントン 楽団出身で可憐でチャーミングなボーカル、ジューン・クリスティの代表作です。一般的に1960年代後半まではオーディオの普及状態のためか、モノラル盤とステレオ盤の両方を発売したり、モノラルで最初に発売したものを擬似ステレオで再度発売していました。本作もモノラルとステレオの両方があり、曲目もピート・ルゴロのオーケストラであることも全く同じであり、ジャケットもモノトーンかカラー,或いは口の開け加減の違いだけでほぼ同じです。これだけみると上述のように全く同じ録音だと感じますが、違うのですよ。モノラルの方は1953から1955年の27から29歳の録音ですが、このステレオ盤は34歳の時の録音です。何で同じ内容で2度も録音したのか分かりませんが、今日は円熟味が出てきた彼女の歌を楽しみます。

19990214

 今までオーケストラが余り好きではないとここで書いてきたのですが、理由はホーンが何本もハーモニーやユニゾンで一度に吹かれる場面が多いと、個人の演奏が無くなってしまうことが大きな理由です。このアルバムでもジューン・クリスティのバックはオーケストラなのですが、結構控えめです。またコンボで演奏しているようなアレンジも多くて。良い例が1曲目のタイトルチューン,サムシング・クールですね。クールボイスと彼女は呼ばれているようですが、温かさが感じられる歌い方に、多分アート・ペッパーだと思われるアルトとギターが気持ち良く絡んでいます。モノラル盤との違いは聞き比べられなかったので明言できないですが、このステレオ盤の方がスローテンポだとライナーノーツには記されています。