この3ヵ月前に、あの名盤ミーツ・ザ・リズムセクションを吹き込んだアルトのアート・ペッパーはこの時、麻薬で入院する前の絶頂期にありました。これを買う前は、何で波に乗っている彼がこんな色物のようなアルバムを吹き込んだのだろうと思ってました。ジャケットからしてね。メンバーはビル・パーキンスのテナー、コンテ・ カンドリのペット、ラス・フリーマンのピアノにベースとドラム、ここまでなら問題無し。これに、ラテン打楽器のコンガとポンゴの奏者2人が加わっています。まぁ彼はベサメ・ムーチョなどのラテンの曲をいくつか今まで取り上げてきましたが、それはあくまでジャズとして吸収しての演奏でした。ここでは一体どのような展開をみせるのでしょうか。
ジャズを聞いて行くといろいろ難しい話をしたくなってきます。時代背景が、オリジナルティが、構成が・・・・。もちろん、このように深く考えさせる部分がジャズの大きな魅力なんでしょうね。しかし、このアルバムはジャズという先入観を捨てて、ラテン音楽のノリを楽しみましょう。コンガがスチャカラ、全員お祭りマンボ。そー思って聞いていると、アート・ペッパーのアルトとコンテ・カンドリのペットの掛け合いは白熱しているぞ、ラス・フリーマンはこんな楽しい演奏も出来るのか等、だんだん見えてきて面白さが増しますよ。今まで色物扱いしてきたアルバムをこれから聞きなおしていきます。