1999年1月21日掲載
Kenny Drew       undercurrent
Blue Note原盤     1960年12月録音

 ヨーロッパ生活に入る前のピアニストのドリューが、新人として勢い溢れているペットのフレディ・ハバード、絶頂期にあったテナーのハンク・モブレーを率いて録音したクィンテットでの録音です。ハードバップ一色のモブレーと新主流派の代表格ハバード、一見合わないと思われる二人がどんなセッションを繰り広げるか、その一点に絞って聞いてみます。

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 フレディとモブレーのホーン合戦がやはり聞き物ですね。ブルーノートにオープンセサミを吹き込んだばかりのフレディは、これから新主流派の一人として数々の60年代の名盤に演奏していくことになるのですが、ここでは時代を一気に駆け上がる勢いでペットを吹いてます。一方のモブレーはこの時すでに50年代のハードバップシーンに数々の素晴らしい吹き込みを残して来ていたのですが、やはりこれからのスタイルを考えて、ましてやフレディと一緒ということで、多少試行錯誤しながら吹いている感じですね。若干この時のマクリーンに似ているような雰囲気を感じるのは僕だけでしょうか。結局彼は新主流派の波には乗れずに、徐々にシーンから遠ざかるのですが。リーダーのケニーに関しては、この時期には珍しくアルバム全曲が彼のオリジナルということから、クィンテットとい形態を通して新しい自分を模索しているように聴こえました。