チャーリー・ラウズやケニー・バロンが組んだこのスフィアー、6枚のアルバムの中で、これが唯一のライブ盤です。最初に発売された際には違うジャケットだったようです。「Sphere Live At Umbria Jazz」とのアルバ名で発売された後、1993年に「Pumpkins Delight」とのアルバム名で再発されました。そこには「This album is dedicated to Charlie Rouse」と書かれています。
ウンブリア・ジャズ・フェスティバルは、1973年以来、イタリアのペルージャで開催されています。Wikipediaによれば多少なりとも紆余曲折がありながら、今でも続いているジャズ・フェスティヴァルとのことです。Wikipediaに出演したミュージシャンが掲載されていますが、それはそれは豪華な顔ぶれです。
このスフィアーのライブ盤は1986年のフェスティヴァルでのものですが、その年には次の方が出演していました。
アーマッド・ジャマル、アル・ジャロウ、アーチー・シェップ、ジョージ・ベンソン
集まった観衆のお目当ては別のミュージシャンだったかも知れませんが、このスフィアーが会場に集まった観衆を大いに沸かせたことでしょう。なんと言っても最初に収録されているラウズ作の「Pumpkins Delight」での熱気に、そして人の機微を独自の音色で表現するサックスとピアノに、観衆は酔ったことでしょう。
他にも観衆を和かにする演奏、落ち着いた気分になる演奏、スリリングな世界に浸れる演奏などが詰まっています。