オマー・アヴィタルの作品を「今日の1枚」で取り上げるのは、これで11作目となります。その中で2006年の演奏といえば、4月の録音の「Suite of The East」、7月録音の「Arrival」の2作品があります。どちらもスタジオ録音の力作であります。
今日取り上げるのは1月にニューヨークにあるファット・キャットという場所での、ライブ録音です。Mark Turner(ts), Avishai Cohen(tp), Aarong Goldberg(p), そして Ali Jackson(d)との、豪華メンバーでの演奏です。
「Ras Abu-Galum (for Elvin Jones)」は、影のあるものが集うようなバーの雰囲気が似合うブルースです。なんとも言えぬ雰囲気をオマー・アヴィタルがアレンジで作り上げています。15分間の演奏ですが、中盤にはメンバーが自由に演奏できる流れを作り、ピアノからサックス、そしてベースと続くソロは、ライブならではの熱演と言えます。
「Homeland」などのオマー・アヴィタルの定番曲もあり、オマー節とメンバーの熱演を楽しめる1枚です。トランペットのアヴィシャイ・コーエンにもっと光が当たっていればとの私の思いは、贅沢なものなのでしょう。