ジョン・コルトレーンはプレスティッジの後にアトランティックと契約を行い、1959年1月から1961年5月までに12回のセッションを行いました。その演奏はオリジナル・アルバム8枚で発売されました。この8枚に収まらなかった演奏は、その後に何種類も発売された編集盤に、そしてCD時代に入ると未発表追加として、発売されていきました。
コルトレーンのアトランティック時代の演奏を録音順にCD6枚、さらにアルバム「ジャイアント・ステップス」セッションの別テイクを1枚に収録した、CD7枚組箱物が1995年に発売されました。この箱物で ”初登場” とクレジットされているのは、次の通りです。
D4-2 Village Blues(1960年10月21日録音)
D5-1 Blues To Elvin(1960年10月24日録音)
D5-4 Blues To You(1960年10月24日録音)
(1959年3月26日録音)
D7-1〜7 Giant Steps, Take 1〜7
D7-8〜12 Naima, Take 1-2, 4,〜6
D7-13〜20 Like Sonny, Reh.1-2, Take 1-6
(1959年5月5日録音)
D7-21〜22 Giant Steps, Take 3, 6
(1960年10月24日録音)
D7-23,24 Blues To Elvin, Take 2〜3
D7-25 Blues To You, Take 2
コルトレーンがアトランティックに残した演奏は、プレスティッジやインパルス!と比べれば少ないものです。しかしそれらをセッション順に聴くとなると、やはりいくつものLPやCDを取っ替え引っ替えすることとなります。思うような活動ができたとは言い難いプレスティッジ時代の後半の思いを力強くぶつけ、いくつかの成果と、その後への躍進となる土台を築いたアトランティック時代のコルトレーンです。そんな彼の2年半を、セッション順に聴いていける有り難みが、この箱物にあります。
ここで ”初登場” となった演奏も、その後にCD追加曲などの形で発売され、今に至っています。このCD7枚組箱物でなければ聴けないという意味は薄れましたが、コルトレーンのアトランティック時代の演奏がセッション順に詰まっているという存在感は、今でも光り輝いています。