2017年7月5日掲載
The Quintet          Jazz At Massey Hall
Debut原盤             1953年5月録音

 トロントにあるマッセイ・ホールは1894年に建てられた当時から、120年以上が経った今でも、数多くの演奏会が開かれております。

 ジャズの演奏も数多く行われていると思いますが、ジャズ・ファンにとって「マッセイ・ホール」と言えば、1953年5月13日のライブのことを指します。出演はパーカー,ガレスピー,パウエル,ミンガス,そしてマックス・ローチであります。まさに大御所総出演という内容です。寄せ集めと言えばその通りなのでしょうが、超がいくつもつく大物だけを集めたので、ジャズ好きならば誰もが聴きに行きたいと思うはずです。

 しかし2752人のキャパシティのマッセイ・ホールに集まったお客さんは、500人ほどだったそうです。実は近くでボクシングのヘビー級タイトル・マッチが行われていて、そちらに人が流れて行ったとのことです。

 さて、私の持っている国内盤には油井先生が、この時のメンバーの状態を詳しく書いております。要約すれば、いろんな意味で、パーカー,ガレスピー,パウエルの3人はバラバラの状態であったとのことです。しかしステージにあがれば・・・、聴いてみます。

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 流石は舞台にあがれば超一流の姿を見せます。ビ・バップの立役者が、この時期のハード・バップに移って行く過程も感じ取れる演奏内容です。この日に集まった500人、歴史的名演を共に過ごせて、死ぬまで自慢出来ることだったでしょう。