引き続きロリンズの傑作ライブの、国内盤CD化での第2集を取上げます。第1集と第2集は、演奏順に収録されています。解説を書いている油井氏によれば、このような再発の場合でも、海外では演奏順に収録することは、当時は行われていなかったとのこと。しかし日本でのこのスタイルが、やがては世界標準になっていったとのことです。擬似ステの撤廃なども、日本が最初に行っていったことらしいです。さて第2集は、夜の部からだけの収録。従って、ウィルバー・ウェア(b)とエルヴィン・ジョーンズ(d)との、トリオでの演奏です。
徐々に息が合ってきたこのトリオは、この第2集に収録されている『朝日のようにさわやかに』『ソニームーン・フォー・トゥ』『言い出しかねて』と続く展開で、その頂点を極めます。これはこの日の演奏の頂点ばかりではなく、現代に続くまでのジャズの歴史の中での輝ける瞬間であります。静寂の中から3人の会話、時には3人の格闘などが、演奏の中から感じ取れます。特にベースのウィルバー・ウェアにとっては、ここでの演奏が彼の代表的なものと言えるでしょう。聴き込むほどに、そして聴き始めてから年月が経つほど味わいが増していく、真の名盤と言えるものです。