2003年6月21日掲載
Tommy Flanagan for Bird, Monk, Trane and Thad
Enja原盤(Jazz Fest編集)     1977年録音

 5年前に渋谷ジャロさんの新譜コーナーでこれを見かけ時には、フラナガンの新譜かと思ったんだ。Jazz Festという聞いたことの無いレーベルに移ったんだと思いながらもすぐ購入し、塩山のアパートで中のクレジットを見てみれば、過去にエンヤから発売されたフラナガンの5作品を寄せ集めたもので、がっかり。3作品は持っているからね。

 自分の記憶力の無さを怨みながらも収録曲を眺めてみれば、なかなか良い編集モノかと思った、というか自分に言い聞かせましたね。1977年録音の名盤「eclypso」,1978年録音の「ballads & blues」,1982年録音の「thelonica」と「giant syeps」,1993年録音の「let's」がその5作品。この中からタイトルに示されている5人のジャズ・マン作の曲をピック・アップしたのが、本作品です。

 ミュージュシャン特有の曲調をフラナガンがどう料理するかが興味のポイントなのですが、もう一つの興味はドラマー。全てトリオ演奏で、4作品のベースはムラーツ。しかし、ドラマーは4人のお方。テイラー,フォスター,エルヴィン,ルイス・ナッシュという顔ぶれであり、ドラム聴き比べも楽しめる編集と言えます。

20030621

 洗練された演奏でモンクにブラシのテイラー、激しさを秘めてコルトレーンにシンバル冴えるフォスター、泥臭くパーカーにスネアのエルヴィン、上品にサドに叩きまくりのナッシュというのが感想。

 選曲として多いに興味を持ったのが、コルトレーンのネイマ。

 フラナガンはコルトレーンの名盤「ジャイアント・ステップス」に参加しており、このネイマも1959年5月5日に録音しておりますが、何故かボツでした。その後ピアノをケリーにしてレコーディングに臨んだ1959年12月2日のネイマが採用されております。

 ボツになったのはフラナガンのピアノが原因とは言えませんが、1982年にエンヤにネイマを吹き込んだフラナガンは、激しさを内に秘めて情念でこの曲を演奏しております。

 こうやって弾くんだ!との思いがあったのでしょうかね。