2002年9月21日掲載
John Young       a touch of pepper
Argo原盤        1962年11月録音

 「幻のピアニストとして名高いジョン・ヤング」という謳い文句、「何を言ってるんだ,プレスティッジ好きの俺には有名人だぜ」と思いながら買った作品ですが、僕はジョン・ライトと勘違いをしていましたね。

 シカゴから離れることなく活動を続けたジョン・ヤングの実力を裏付ける話として、ナンシー・ウィルソンがシカゴでライブを行う時に必ず彼を指名していたそうだ。しかしながらリーダー作は1950年代後半から本作品録音までの4枚だけですね。やはりNYで活動していないと目立たないということでしょうか。

 サム・キッド(b),フィル・トーマス(d)というシカゴ仲間と吹き込んだ作品です。

20020921

 軽い歯切れの良いタッチで、ブルース・フィーリングを存分に聴かせる、そんな好みのピアノ。フレーズの作り方も、味わい深いしね。それと地元サザーランド・ラウンジでいつも演奏している仲間との演奏だけあって、トリオの息もピッタリとあってますね。特にピアノの個性と通じ合うベースのサムがお見事。サム作の「サーチ・ミー」での歯切れの良いトリオの演奏は惚れ惚れするし、途中で出てくる「スィングしなけりゃ意味ないね」のフレーズも洒落てましたね。

 決して突出した名盤という訳ではないし無名な方なので、今回のCD化(世界初)を機に語られるミュージュシャンとは言えませんが、購入した人の記憶に残っていく盤であることは間違いないでしょう。