このコーナーで何度も書いたことですが、丁度二十歳の時に大学の仲間の影響で、ジャズを聴き始めました。まだ僕が50枚ほどしかジャズのLPを持っていない時に、その友達は150枚ほど所有。よく彼の家に行き、いろいろ聴かせてもらったんですが、その中でこの作品は印象深いもの。
一丁前にトミフラだとかソニクラだとか言い出せるようになっていた僕には、この二人が交代でピアノを務めているこの作品を聴きながら、曲毎にピアニストが誰かを友達と話したのが良い記憶。ジョージ・デュビビエ(b)とマックス・ローチ(d)と共に、ピアノの二人が参加しております。
おっと、主役のテナー。スタンリー・タレンタインの作品は、この盤の前年に吹き込んだレス・マッキャンとの乗り乗り盤を掲載しましたが、今回は正統派ピアニストとの共演盤です。
1987年に徳間ジャパンから発売されたCDを持っているのですが、解説は安原顯氏。氏がジャズに関することを書き始めたのは最近かと思っていたら、以前からのことだったのですね。
タレンタインと同様に1930年代に生まれたテナー奏者をあげていますが、ロリンズ,ショーター,アイラー,ジョー・ヘン,シェップという面々。テナー奏者に限らないのですが、この時代の奏者とういのは一音で誰の演奏か分かる個性的なものですよね。タレンタインの場合も、独特のフレイジングやスイング感などから、一音でタレンタインと分かるものです。
この盤は、そのフレイジングとスイング感を、ワン・ホーンという編成と素敵なバックによって、存分に楽しめる内容です。ほぼ交互に演奏しているピアノの二人、ジャズを聴き始めた学生時代に、どちらかの演奏かはっきり分かった、これまた個性的な演奏。
タレンタインの元結婚相手の訃報を最近しったのですが、僕をジャズの世界に引き込んだ友達は最近結婚。その友達は、大学卒業後はジャズから離れております。久しぶりにこの盤を聴いて、いろんなこと思い出しました。