澤野の名盤発掘シリーズは原レーベルを表示していないので、「ピアノ・トリオ1600」がこういう場面で活躍する。しかし、載っていない。
記憶のあるジャケなので不思議に思っていたのであるが、思い出した。1980年代後半の渋谷ジャロさんで見た盤だ。これを手にして得意顔で話している人がいたっけ。
さて、この作品。ヴァルター・シュトラート(p),ディター・ピータライト(b),ピーター・シュミット(d)からなるピアノ・トリオ。封入されているメモによれば、ボサ・ジャズとのことです。
リズムの切れ味の良さが、魅力の作品。これはボサノバ独特のリズムに起因することでなく、独特のアレンジを施したノン・ボサ演奏の「softly as in a morning sunrise」でも同様のことなので、このトリオの特色でしょう。近年の欧州ピアノ・トリオに不足しているものがリズムの切れ味だけに、余計に感心したこと。また、シュトラートの曲作りにも感心。「fly to brazil」や「bara-bossa」が、切れ味良いリズムに乗って、良いメロディ。
内ジャケを見る限り、シュトラートは30歳ってとこ。既に一線からは消えている方ですが、澤野の得意技で再びシーンに戻ってくると睨んでおりますがね。