ジミー・デューカーって言われても、知っている方は少ないでしょうね。当然ながら僕もその一人でしてね。しかしながら、欧州ジャズが好きで、特にイギリスものを愛している人達の中では、この作品のオリジナル盤は非常な高値で取引されていたそうです。
1930年にスコットランドに生まれたデューカーは、バンド・リーダーだった父の影響で12歳からトランペットを始め、15歳の時にはプロ活動を開始したそうです。戦争の影響での活動中断があったものの、1950年代のイギリスのジャズ・シーンを代表するハード・バッパーだった方です。
今回ジャスミンから再発されたCDでは、二つの10吋作品がカップリングされています。セプテットで1953年に吹き込んだ「ショウケース」、同じく7人編成での1955年の吹込みの「サンサンブル」の2枚。一般ジャズ・ファンにも知られている参加者としては、1955年のセッションでのタビー・ヘイズ(ts)とビクター・フェルドマン(p)があげられます。
この時点でのデューカーのペットには、突き抜ける爽快さはあっても、悲しさを表現する術は身につけていなかたのかな。1950年代前半のイギリスにおける、スィングの乗りとビ・バップの勢いを楽しむ1枚ですな。