1999年6月29日掲載
Duke Pearson      tender feelin’s
Blue Note原盤      1959年12月録音

 5歳からピアニストの母からレッスンを受けたデューク・ピアソンは、1954年に陸軍のバンドを除隊した彼は、1959年にNYに進出しました。この時期はドナルド・バードのバンドに属していて、またブルー・ノートからも期待をかけられていました。僅か2ヶ月前にデビュー・アルバム“プロフィール”を吹き込んだばかりなのに、このアルバムを録音するチャンスを与えられました。ピアノ・トリオである本作品、アルフレッド・ライオンの期待に、どう応えているでしょうか。

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 “アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー”を何度も繰り返して聞いてます。ジャック・ウルフ-ジュエル・ハーロン-フランク・シナトラによる曲で、シナトラの名唱で知られる曲だそうです。哀愁漂うバラッドをピアソンは、表面上はサラッと、しかし悲しみをしっかりと表現しています。選曲もよろしゅ うございますよ。地味なスタンダードを取上げたり、僕は原演奏を知りませんがMJQの “ザ・ゴールデン・ストライカー”を演奏したりしています。洗練された演奏、心憎い処理方法で、全体を聴かせてくれています。ピアソンはこの後ブルー・ノートで作曲・編曲の面でも活躍していくこですが、ここでは自作曲は即興で作った感のブルース1曲だけ。彼の素晴らしい曲を聴きたかったところですが、このアルバムは心地よいスィング感と、琴線に触れるようなバラッドを存分に味わえる素晴らしい作品です。