録音日 1960年12月6日(ジャケ記載データ)
Summertime が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
ホレス・パーランのBN4枚目の本作品に、「Summertime」が収録されています。2003年12月20日に「今日の1枚」で本盤を取上げたさいには、トリオに加えてコンガが入っていることにえらく拘ってコメントを書いていました。
「Summertime」には言及していなかったので、今日は軽快なピアノ・トリオ作品として人気のある本盤を「Summertime」を中心に聴いてみます。
つまみ食い後
オリジナル・レコード裏面の解説はジョー・ゴールドバーグが書いており、私は中原さんの訳文でそれを読みました。
ジャズなりロックなりを聴いていて、ゴスペル,ソウル,ファンク,そしてグルーブ感覚にそのミュージュシャンの個性を感じることは多々あります。
そして教会とは縁の無い私にとっては、それが教会音楽の影響、物心ついた時から日曜日には教会に帰っていたと言われると、上っ面しか理解できなく、何んとも云えない気分になります。
ゴールドバーグの解説でこの点とパーランの音楽について触れておりますが、その意味する真の部分は別にしても、パーランの音楽から感じるゴスペルの匂い漂うブルースの色合いには多々感じ入ることがあります。その感じてくる部分は、人前では出しえない、パーランの個性そのものだからなのでしょう。
さてこの作品を素敵なものにしている要素の一つが、ジョージ・タッカーのベースでしょう。「Summertime」では、タッカーのアルコ演奏から始まっています。「ジョージは弓を弾いてもハチみたいな音にならない、数少ないベーシストの一人だ」とは、先のゴールドバーグが紹介しているパーランの発言です。この弓での哀しげなベース音に、そしてピッチカートになってからのリズム感の凄さ、これにパーラン独自の演奏が加わり、ピアノでの「Summertime」の代表的演奏になっております。
(掲示板掲載 2016年9月15日から3日間)