Pim Jacobs
Come Fly With Me

録音日 1982年1月1日(月日は決めつけ)

Body And Soul が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 もう10年以上前のことですが、オランダに2回出張に行きました。合わせて1ヶ月強しか滞在しなかったのですが、東南アジア専門の私にとっては初めてのヨーロッパ滞在で興味深いことの連続でした。
 現地法人の事務所で女性スタッフとの話の中で、私はリタ・ライスが好きだとPCに彼女の作品の写真を表示しました。当然ながら若い時の写真ですので、スタッフの女性は「今は年配だけど
今でも活動しているよ」と教えてくれた上で、「彼女の旦那さんを知っている?」と私に尋ねてきました。もちろん「ピム・ヤコブスでしょ」と私は即答しましたが、ヤコブスさんもジャズファンではない一般の人にも知られた存在なのかと感心したものでした。

 今回の「つまみ食い」企画でこのヤコブスさんの作品を取り上げることになり、彼の他の作品についてネット調べてみました。しかしながらディスコグラフィには出会えず、数枚のジャケット写真を見ただけでした。
 しかし収穫はありました。それはヤコブスはテレビプレゼンターとしても活躍していたとの情報を得たからです。音楽番組とゲーム番組を持っており、人気があったそうです。この情報に接して、10年前の出来事に合点がいきました。

 長々と書きましたが、ヤコブスさんの「Body And Soul」を聴いてみます。

bs12

つまみ食い後

 1ヶ月の滞在中、大都市であるアムステルダムとロッテルダム、高級住宅街であるアムステルフェーン、そして田舎町であるサッセンハイムで過ごしておりました。アジアからの短期出張者である私は、どの街も古い建物が活きており洗練された風景に圧倒されておりました。

 この洗練さ、独自の香りは、ヤコブスさんの演奏にも感じ取れるものです。この作品をレビューしたネット上のコメントは、やはり洗練という言葉でこの作品を評しているものが多いのも頷けます。その上でのヤコブスさんの魅力は、決して饒舌にならずに、しかしながら表現するのに必要な言葉をしっかりと伝えてくることでしょう。爽やかな演奏の中に哀楽を響かせている「Body And Soul」、サッセンハイムのカフェで過ごした昼休みを思い出しながら聴いておりました。

 さてヤコブスさんですが、1996年に61歳でお亡くなりになりました。奥様のリタ・ライスさんは2013年に89歳で亡くられなした。10歳上の姉さん女房だったのかと、今初めて知りました。

(掲示板掲載 2018年3月15日から3日間)