録音日 1967年7月20日(ジャケ記載データ)
Body And Soul が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
映画「ラウンド・ミッドナイト」が公開されたのは、もう30年以上前のこととなります。ほんの少し前のこととの思いがありますが、このような思いになるということは、自分が歳を取ったということを認めなければならないということでしょうかね。
欧州に活動拠点を移すアメリカのジャズマンは多数いますが、その代表格の1人がデクスターさんであります。そのデクスターさんがフランスに活動拠点を移したとの設定で、フランス人青年との交流を物語の進行役にして、ジャズマンの様々な葛藤を描いた作品でした。
この話はパウエルのことであることは有名な話です。パウエルとフランス人青年の交流によって録音された演奏は、かつて「今日の1枚」で取り上げました。
デクスターさんもフランスにいたことがあるのですが、主はデンマーク、コペンハーゲンでした。今回のつまみ食いテーマで引っ張り出した本作品は、モンマルトルでのライブ作品です。ここでのモンマルトルとはパリの高い丘のことではなく、デンマークにある有名なジャズ・クラブのことです。そのジャズクラブで演奏された「Body And Soul」を、今日は聴いてみます。「今日の1枚」では、2008年1月8日に取り上げました。
つまみ食い後
ジャズ・クラブでのライブですので、長尺の演奏が並ぶのは当然であります。通して聴くと2時間ほどの演奏ですが、実際のライブでは1ステージは1時間なのでしょう。目の前でデクスターさんが、ドリュー,ペデルセン,そしてヒースという最高のリズム陣で演奏するのですから、観客にとってはあっという間の1時間だったのでしょう。
この存在感ありまくるサックス奏者の演奏は、堅物に見られる生き方が不器用な、しかし根は優しい男の生き様を聴かせてくれるものです。
「Body And Soul」でのデクスターさんは、恋にズタズタになりながら、人生こんなもんよと強がっている女性の雰囲気が出ています。そんなデクスターさんの世界の中でのドリューのピアノソロは、恋にズタズタになり、そんな経験はいくつもして来たのに、あの言葉がダメだったのかとなどと反省しきりの女性が描かれています。そんな10分間が過ぎていく演奏です。
(掲示板掲載 2018年5月12日から3日間)