録音日 1957年4月2日(ジャケ記載データの翌日)
Body And Soul が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
ペッパーさんの本作は、「今日の1枚からつまみ食い」では2回目の登場となります。録音は4月1日で全て録音された作品ですので、2回目の登場となる今回は、その翌日の録音とします。
このマハール フォト&ジャズというサイトを立ち上げて、もうすぐ丸20年となります。そして「今日の1枚」はそれとほぼ同時に開始しました。その理由は2つあります。写真とジャズのサイトとしながらも、写真先行でしたので、何かジャズについて取り上げたいとの気持ちでした。2つ目は掲示板を設置したからです。個人ホームページ創成期から脱却し始めた当時は、掲示板を設けるのが一つの流行りでした。そんな流れに乗って、私のサイトでも今でも使用している掲示板を設置しました。閑古鳥が鳴くだろうと思い、それなら何か定期的に書いていこうと考えました。
この二つの理由により、「今日の1枚」が始まったのです。今日はこの作品を聴いてみるよ、その翌日にはその感想を書いていくとの、ごく簡単なものです。
やがて「今日の1枚」で書く感想に、幾つかのパターンが出てきました。その中に、自分でも避けるべきと思っていたパターンがありました。世間で古くから言われている手垢のついた表現を用いての、感想であります。もしもその手垢フレーズを使うならば、その理由をはっきりと書かなければと思っていたのですが、しかしそんな感想がいくつもあるのです。避けようと思いながらもそんな感想を書いていた時は、どんなことを書こうか考えが定まらない状態だったのでしょう。それはその作品云々ではなく、その時の私の状況からくることでした。
本題に入る前に長々と書きましたが、今日のペッパーさんの作品も、そんなパターンの感想です。「女々しいペッパー」という手垢フレーズを、感想の柱にしています。
「つまみ食い」で取り上げる今回、この作品で演奏されている「Body And Soul」について、「今日の1枚」の趣旨に沿った感想が書ければと思っています。2001年3月17日に本作を「今日の1枚」で取り上げましたので、17年ぶりの汚名挽回になればと思っています。
つまみ食い後
ここ数年お世話になっている近所の銀行支店に、先週伺いました。担当の女性が世間話の中で、支店長が女性になったとの話がありました。地銀の中ではトップクラスの同行では、女性の支店長は珍しいが課長クラスでは結構な割合で女性になっているそうです。
そんな話の中で、30年近く前に担当しました外資系会社の方を思い出しました。3つある部門の中の一つのトップの方なのですが、女性でした。兎に角、決断が早い方でした。他の2部門の男性トップのかたよりも、決断判断力に優れていると、私は感じておりました。
その後に私は合わせて13年間の海外駐在となったのですが、駐在先の香港とマレーシアでは日本よりも早く女性が活躍しておりました。これまた決断力が早かったです。
ある歌の歌詞に「女には後先考えない勇気がある」とありましたが、その通りだと思います。しかしながら男には、当該案件だけで判断決断していくのではなく、過去との関連やその先のことを考えて考え決めていく面があると思います。
「女々しい」という言葉は男性を表すためにある言葉だと、よく言われます。そう、女性はスパッと決断するのです。でもアレを考えると、それはそうなんだけれど、などとウダウダ考えていくのが多いのが、男性なのでしょう。振り返ってみれば、私もそうでした。節目節目では大胆な決断をしてきたつもりでしたが、その流れの中では女々しかった部分が多かったと思います。
それでペッパーさんの「Body And Soul」。ズタズタになって終焉を迎えた恋を、アレがいけなかったのか、あの時にあーしとけば良かった、などと色々と考えを巡らせて、終わったことを認めたくないような感じであります。しかし、それがいけないことなのか。愛だ恋だは仕事ではなく、心の動きなのだ。スパッと気持ちを切り替えられるならば、そんなに深くは愛さなかったでありましょう。
こんなふうに考えながら、テキパキと決断していた女性を頭に思い浮かべながら、女性支店長の下でテキパキと働いている女性行員の姿を考えながら、「だから男は女々しいのよ」との言葉が頭に響きました。
それでもパーキンスのピアノとペッパーさんのアルトが繊細に流れている演奏に、私は心を動かされました。
(掲示板掲載 2018年5月21日から3日間)