録音日 1957年4月1日(ジャケ記載データ)
Summertime が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
ペッパーがサマー・タイムを取上げているのは、本当に自然な感じですね。この盤を「今日の1枚」で紹介したのは2001年3月17日でした。「流暢に語ってくるペッパーは絶好調」としながらも「その流暢な語り口の割には、ズバって言いきっていない物足りなさがあるんだよな」とし、ペッパーの「女々しい」時期が、自分の好みに合わないと書きました。
ジャズというのは、目をそむけた作品やミュージュシャンが突如として自分の心に突き刺さってくるものです。久しぶりに聴く本作品、楽しみです。
つまみ食い後
自分の思い通りにいかないことの繰り返しの中で、そこを如何に通り過ぎていくかに苦悩している気持ちが、この時のペッパーさんの演奏だと感じました。「今日の1枚」で取上げてから15年、ようやくこの気持ちが分かってきました。
そんなペッパーさんの魅力が詰まっている1枚、今回は繰り返し繰り返し、今の自分に置き替えながら聴きました。この作品の素晴らしさを支えているのは。ピアノのカール・パーキンスです。彼のピアノが描く世界はペッパーさんと同様です。しかし、その姿は違うもの。ペッパーさんはホテルの部屋で一人、テーブルに置かれた新聞を目にしながら、心の中で別のことを考えているもの。パーキンスさんは、ホテルのバーで、安いバーボンを体に流し込んでいるものです。この対比が、数多くの名演がある「Summertime」の中にこの演奏が入っている理由でしょう。
(掲示板掲載 2016年2月24日から3日間)