Ralph Reichert
Reflections

録音日 2002年3月8日(ジャケ記載データ)
Just In Time が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 ラルフ・レイチャートというテナー・サックス奏者は、彼のサイトのディスコグラフィを見ると。1991年から2012年までコンスタントに作品を発表されてきた方です。「Just In Time」が収録されている本作は、「今日の1枚」で2005年2月27日に取り上げました。ジャケを見ていただければ、タイトルは大きなフォントで「REFLECTIONS」と書かれています。しかしラルフさんのサイトのディスコグラフィでは本作のタイトルが「Randy Sandke & Ralph Reichert Quintet live at BIRDLAND」となっています。確かにランディー・サンドク(tp)がゲスト参加したバードランドでのライブ盤なのですが、ラルフさんのリーダー作からランディーとのコ・リーダー作に表現が変わったのには、何か大人の事情があるのでしょうか。

 「つまみ食い」する前に、余計なことが頭に入ってしましました。本作への13年前の私の感想は、「現代風ハード・バップという表現を使いたくなる。どジャズを演っているのだ。ストレートに気持ちよくやっているのだ。しかしながら、黄金時代の演奏で感じられる熱気とは違うのです。黄金時代がポマードべっとりの髪型なら、こちらは頭を揺するとサラッと髪がなびくような感じなのです」とのものでした。

pjt17

つまみ食い後

 「今日の1枚」の目的の一つが、所持している作品を改めて聴いてみようとのものでした。その後は再び聴くことはせずという作品が多いので、何かしら理由を付けて「今日の1枚」掲載済み作品を聴いてみようというのが、この「今日の1枚からつまみ食い」の目的の一つです。

 そんな目的は、今回のラルフさんの作品にまさに打って付けでありました。バンドとしてのまとまりの良さがある演奏の中に、ラルフさんとランディーの2管が色気あるフレーズを加えています。一度聴くと、繰り返して聴いてしまう作品です。

 13年前の感想は今でも同じですが、「頭を揺するとサラッと髪がなびくような感じ」での演奏も良いものですなと思って聴き終えました。特に1曲目の「Just In Time」では、都会で忙しく動き回っている自分をふと冷静に見つめている様子が目に浮かんでくるような演奏でした。

(掲示板掲載 2018年6月15日から3日間)