録音日 1968年2月8日(ジャケ記載データ)
Just In Time が収録されている作品をつまみ食い
つまみ食い前
この作品を私は2003年に日本のノーマから発売されたものを持っております。ネットで調べてみたところ、ノーマから2009年にも格安盤として再び発売されているようなので、この作品を持っている方も多いことでしょう。しかしながら日本のノーマから発売される以前は、知る人ぞ知る作品でありました。
ピアノのジミー・ワイズナーとの共演で、ノーマさんはこのジャズ作品を1960年から1961年にかけて吹き込みました。バックはワイズナーのピアノトリオです。そしてワイズナーは何を思ったのか、1968年にストリングスを被せて再度発売したのでした。日本のノーマから発売された時には、オリジナルとストリングス被せの2枚組となっていました。
2003年11月15日に「今日の1枚」で取り上げた際に私は、「ハスキー声で真っ直ぐな歌い方です。個人的には少しこもった声の響きがマイナス・ポイントであり、惹きつけられる魅力が感じられないもの」と、ノーマさんの歌に否定的なコメントをしました。今回は「Just In Time」を中心に、もう一度ノーマさんの歌に向き合い、またオリジナルのピアノトリオのものと、ストリングス被せのもの違いを、聴いてみます。
なおここでの録音日は、日付が明確なストリングス入れ作業の日を使っています。
つまみ食い後
14年目に「少しこもった声の響きがマイナス・ポイント」とした部分は、ノーマさんのヴォーカルにリバーブを加えすぎたことによるものでした。今回こうして聴いてみると、ノーマさんの歌は安らぎのある家庭的な雰囲気に感じました。
そんな中でやたら頑張りすぎている「Just In Time」でのノーマさんなのですが、歌とバックがバラバラのピアノトリオ版に対して、ストリングス入りの方は歌に華やかさを加える効果がありました。
ワイズナーがストリングス被せで作り直したのは、ノーマさんの歌を引き立たせるための策だったのでしょう。
(掲示板掲載 2017年11月12日から3日間)