Hod O'Brien
Live At Blues Alley - First Set

録音日 2004年7月7日(ジャケ記載データ)
Just In Time が収録されている作品をつまみ食い

つまみ食い前

 2000年に入って、60歳代なかばにして急に人気者となったオブライアンさんですが、2016年11月20日に80歳でお亡くなりになりました。私はこのことを、今回の「つまみ食い」企画のために閲覧したウィキペディア英語版で知りました。またそこで、本作のライブ録音が彼の最後の作品であることも知りました。しかし演奏活動は続けていたようで、癌の治療期間中も演奏していたとのことです。

 2005年6月3日に本作を「今日の1枚」で取り上げた際には私は、「快調なライブ」「トリオとしても勢いのある内容」と述べ、「thespian」での演奏をその白眉としていました。

「Just In Time」での演奏は如何なものなのかを中心に、聴いてみます。

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つまみ食い後

 人には輝く瞬間を手にするチャンスがあるものだと、本作を聴きながら考えました。スポーツ選手にしろ、作家にしろ、役者にしても、あの数年は輝いていたねと言われる時期があるものです。しかしそれは、いくつかの条件が整って初めて輝くものだと思います。先ずは実力をつける地道な歩みがあること。次にその実力を活かせる舞台に巡り合えること。そして最後が、その舞台で輝くための周りの助力があることだと思います。

 オブライアンさんは決して陽の当たらなかった期間も、演奏活動を続け、演奏に対するイメージを体に染み込ませ、そして年を重ねてからではありましたが自分のスタイルを発見したのでしょう。そしてそんなオブライアンさんにレコーディングの機会を与えたプロデューサーの存在が重なり、世にその姿を見せることができ、それが徐々に世間に広がって行ったのです。そしてこの2004年7月のブルース・アレイにおいて、レイ・ドラモンドとケニー・ワシントンという素敵なミュージシャンに支えられて、この素敵なライブ盤に繋がって行ったのだと痛感しました。

 さて「Just In Time」ですが、哀愁を感じさせる香りを乗せながらの軽快な演奏となっています。オブライアンさんにとって、まさに「Just In Time」だった瞬間です。

 私はこのライブをこの一集と、続けて発売された二集を持っており、「今日の1枚」で取り上げてきました。今回わかったのですが、三集も発売されているとのこと。必ず「今日の1枚」で取り上げます。

(掲示板掲載 2018年1月12日から3日間)