Munich Saxophone Family
Survival Song

録音日 1999年1月19日(ジャケ記載データ)

ソラ ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 冬山の雲景色は、いつ何時にその姿を変えるか危険なもの、そんな話を時折に聞くことがあります。このジャケ、恐らくはスイスの冬山なのですが、この状態ならば天候は持っていると思いますが、いつ何時に牙を剝くかの恐怖は、登山者は感じていることなのでしょう。その意味では、このアルバム名はしっくりくるものです。

 2000年2月12日にこの作品を「今日の1枚」で取り上げた時には、このミュンヘン・サックス一家の詳しいことは不明でした。今回改めてネットで調べたところ、メンバー四人の中で、Florian Trubsbach以外の三人は、Wikipedia(言語は様々)にページがある方でした。ドイツ人のJurgen Seefelder と Thomas Zoller、そしてスイス人のRoman Schwallerの三人です。特にRoman Schwallerは個人で何枚も作品を発表している方で、この「今日の1枚」でも1枚取り上げたことがあります。(2001年10月11日)またこのサックス四人組は、これ以外にも数枚の作品を残しているようです。

 20年以上前の本作への私の感想は、あともう一歩、とのものでした。それは同形態のWSQとの比較もあったことでしょう。今回のつまみ食いはそれから20年、私の感想も変わってくると思います。冬山登山の「一瞬のヒヤリ」、そんな瞬間を感じる演奏を求めて、つまみ食いしてみます。

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つまみ食い後

 リラックスできる響きがサックス四本で表現されており、アンサンブルの心地よさに浸ることができる作品となっています。そこにはクラシックの素養も感じさせます。

 この演奏を冬山の一日とするならば、順調で楽しい登山だったと言えるものでしょう。



(掲示板掲載 2020年12月18日から3日間)



参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)