録音日 1983年9月25日(ジャケ記載データ)
ソラ ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
朝日が差し込み、素敵な1日を予感しながら朝食を、とのように「朝」は気分が上向くものを想像させるものです。しかし実際には、会社勤めの方々、或いは学校で勉学に励む方々の朝には、憂鬱で重苦しい一日の始まり、気分が沈む日も多いはずです。
このマレイのアルバム「朝の歌」のジャケ写は、まさに後者のものです。目覚まし時計に蹴飛ばされて起きてきればこの空模様、さぞかし辛い絵になることでしょう。
1999年9月5日に、マレイのこのカルテット作品を「今日の1枚」で取り上げました。私がマハール フォト&ジャズというサイトを開始して一年、まだオリジナル・ドメインを取得する前の時期であり、「マレイ特集」に力を入れていた頃です。そこでも書いたのですが、ジャズを聴き始め、エサ箱漁りでマレイの作品に熱を入れていた私が、この作品が世に出た辺りから、マレイの作品は新譜コーナーで手に取るようになりました。思い出深い作品であります。
マレイの奥様となるミンさんによるジャケット写真、「Poem for Coltrane」との作品名のようです。今回のつまみ食いでは、この写真の雰囲気にあう曲を探してみます。
つまみ食い後
愛聴盤ですから、レコードでいうA面もB面も大好きです。どちらかと聞かれれば、やはりA面です。私の中では名曲のタイトル曲からスタート、上向き気分の朝となる豪放な演奏を存分に楽しみます。続くのはヒックスとのデュオでスタンダードの「ボディ・アンド・ソウル」、特に予定のない休日の朝、コーヒーを飲みながら自分を顧みる気にさせる演奏です。ここまでにはジャケの雰囲気はなし。
そしてA面最後は、マレイの盟友ブッチ・モーリス作の「Light Blue Frolic」、日常が思いがけずに違う方向に転がり始めるような演奏です。マレイのスピード感溢れる演奏を楽しみながら、ジャケに似合う演奏は、こじ付けて言うならばこの演奏かなと思った次第です。
(掲示板掲載 2020年12月21日から3日間)
参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)