録音日 2005年3月13日(ジャケ記載データ)
ソラ ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
Diane Cook と Len Jenshel、この男女は長いこと一緒にフォトグラファーとして活動しているようです。二人のサイトを見ますと、都会にしても自然にしても、太陽の存在を意識させる素敵な写真が並んでいます。そしてこのメルドーさんの作品のジャケも、陽が沈む瞬間を絶妙に切り取ったものです。アルバムのタイトルから日の出か日の入りかを悩む必要はありませんが、この場所がどこかを知りたくクレジットを見てもどこにも書いてあり真田でした。
この作品はポップ界の有名曲をメルドーが取り上げている作品で、私は本作を「今日の1枚」で取り上げた2005年12月23日には、ポール・サイモンの「恋人と別れる50の方法」について感心したことを書いておりました。
今回のつまみ食いでは、「雲の帯」(ソラ資料から)と焼け具合と手前に広がる空間が印象的なジャケを見ながら、ニック・ドレイクの「Day Is Done」をメルドーはどのように表現しているかを意識して、聴いて見ます。
つまみ食い後
夭折のイギリスのシンガーソングライター、ニック・ドレイクは知る人ぞ知る存在の方で、私は知らない人であります。3枚のアルバムを残し、26歳で亡くなった彼は、商業的には全く成功していませんでした。それが1980年代に入り再評価が高まっていき、その人気は静ながら今でも続いているようです。これはウィキペディアからの情報ですが、この文章を書きながら調べても、Amazonで簡単に3枚の作品がCDで購入でき、またYouTubeで何曲も彼の曲を聴ける状態ですので、しっかりとした支持を得ているのでしょう。
誰もが抱えている苦悩を、誰にでも通じるようなメロディで表現するニック・ドレイクのメロディには、聴き惚れてしまいます。
さてメルドーさんのトリオでの演奏、若者なら誰もが通る悩みの瞬間を、独特の色合いで表現しています。
そんな悩みの時期の思い出の場所は、誰にでもあることでしょう。ジャケに映る場所、瞬間も、誰かのそのような場所なのでしょう。
(掲示板掲載 2020年4月18日から3日間)
参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)