Agusti Fernandez
One Night at the Joan Miro Foundation

録音日 1998年7月16日(ジャケ記載データ)

ソラ ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 空といえば青空、この「つまみ食い」用に110枚ほど摘んであり、その中に青空ジャケは何枚もあります。そして本作の青空が、最も青々していました。デジタル処理もあるのでしょうけど、対比させている建物の白が、空の青を引き立てております。

 一点の雲なしかと思いきや、下に少し雲があります。ソラ資料を見ますと、これは「行雲」のようです。「風に流されて空を動いている雲のこと。行雲流水は、なんの執着もなく、物に応じ、ことに従って行動することで、所定めず遍歴修行する僧を雲水という」と書かれています。

 本作はミロ美術館でのライブなのですが、グーグル・マップで確認したところ、この白い建物は(20年前は倉庫と書きましたが)美術館そのもののようです。Pere Pratdesaba and Alicia Noeの手によるジャケ写、素晴らしいものです。

 2000年2月8日に本作を「今日の1枚」で取り上げた際には、リズムの取れないフリージャズであることを述べただけでした。ネットで調べますとこのアグスティ・フェルナンデスさん、20枚近い作品を発表しているピアニストです。今回のつまみ食いでは、ジャケとの絡みで何か感想を書きたいと思います。

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つまみ食い後

 私は横浜美術館で三年に一度行われるヨコハマトリエンナーレを観ていますが、音が重要な要素である展示物も多くあります。今年の7月3日から3ヶ月間開催されるヨコハマトリエンナーレ2020は「Afterglow―光の破片をつかまえる」とのタイトルですが、ここでも音が効果的に使われることでしょう。

 このミロ美術館のライブを聴いていますと、美術作品との連携があるのかなと感じました。古代と未来の会話などという常人の考えを超越したテーマの中で、楽器たちが会話をしているように聴こえました。

 私には近代の香りが入っていれば、近寄れた作品かもしれません。通販サイトAmazonの本作のレビューに、「夢と悪夢の濃密な音楽」とのコメントがありました。私には「古代と未来に取り残された音楽」と、感じました。


(掲示板掲載 2020年2月12日から3日間)



参考資料 高橋健司著、空の名前(改訂版)、東京:角川書店、2004年
(文中ではソラ資料と表記)