Rosario Giuliani
More Than Ever

録音日 2004年4月12日(ジャケ記載データ)

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 イス資料では明確に椅子の分類を示していませんが、椅子に関するwebページを見るところ、椅子は9種類に分けられるようです。その一つが「スツール」であり、背もたれのない簡易的な椅子のことです。脚の長さや座面により幾つものタイプのスツールがあり、中には高級感あるものもあります。

 イタリア出身のアルト奏者ロザリオ・ジュリアーニさんの作品ジャケにあるスツールは、「簡易的な椅子」の代表的なものです。ちょいと腰を掛けたくなる場面に置いてあり、知らずのうちに重宝している椅子であります。

 「今日の1枚」で本作を取り上げたのは2005年2月26日のことで、その際には「輝きある彼の音色に、凄みが加わった演奏」との感想を述べました。他にはゲスト参加のアコーディオン奏者との演奏について、そしてロザリオさんが演奏するアルトとソプラノの音色についても感想を述べていました。

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つまみ食い後

 憂いの表現が鮮やかな内容です。フィル・ウッズを文学青年にした感じです。基本はトリオ、それに曲によりピアノとアコーディオンが加わっています。今回聴いて気に入ったのは、ピアノとアコーディオンの両方が加わった「I Remember Astor」での密やかな囁き、そしてトリオでの「London By Night」での能動的な演奏でした。

 本作以降も活発な活動のロザリオさん、今やイタリアを代表するサックス奏者のロザリオさんの姿を、この作品で確認することができます。

 ロザリオさんは2016年の横濱ジャズプロムナードに出演していましたが、私は他のプログラムに顔を出したので、生ロザリオに接することが出来ませんでした。今回のつまみ食いで、それを深く後悔しました。


(掲示板掲載 2019年4月15日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)