録音日 1956年11月1日(年月はジャケ記載データ、日は決め打ち)
イス ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
このジャケットの印象が強烈で、つまみ食いのテーマに「イス ジャケ」を選んだのです。旦那は木の長椅子に窮屈そうに座り、女房はクッションが快適そうな背もたれイスで寛いでいます。そして両者ともに、新聞にタバコとのお姿です。「新聞ジャケ」がテーマだとつまみ食いする作品が少なすぎる、「タバコ ジャケ」でも良かったのですが、なぜか私の頭にはこのかかあ天下ジャケは椅子が強烈な存在として残っていました。
旦那はイギリスのジャズ界で名を残し、本場アメリカでも有名どころのピアノ伴奏で有名だったお方、一方の歌手の奥さんはレコーディングは本作だけの方です。
この作品を「今日の1枚」で2001年12月28日に取り上げた際には、「二度と聴かないであろう1枚です」などとの暴言を、私は吐いておりました。エディ・コスタにJRモンテローズが参加している本作なのですから、先の暴言は(あくまでジャケでは)女房の尻に敷かれる男の不甲斐なさの悪い印象が引きずってのことなのでしょう。
今回のつまみ食いでは、冷静な気持ちで本作に接してみます。
つまみ食い後
ラルフのピアノ、コスタのヴァイブ、モンテロースのテナー、そこにジョー・ピューマのギターも効果的に加わり、決して派手さないものの、趣味の良い演奏を繰り広げています。ただし半分ほどの曲で披露される奥さんのヴォーカルは華がないもので、お上手ですねとの気分の歌がなければ、そこそこの作品となったことでしょう。
「二度と聴かないであろう1枚です」との19年前のおバカ発言を反省しながら、聴き終えました。
(掲示板掲載 2020年5月18日から3日間)
参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)