録音日 1958年1月18日(ジャケ記載データ)
イス ジャケ作品をつまみ食い
つまみ食い前
ロッキング・チェアも、椅子の分類の一つになっています。それだけ日常に溶け込んでいる椅子なのでしょう。しかし日本人にとっては、映画の中で接する椅子ということになるのでは。
イス資料には多数のイス写真が掲載されていますが、ロッキング・チェアは2脚だけでした。それらは近代的なデザインのものですが、今日「つまみ食い」するジャケには昔ながらの、映画でイイメージする通りのロッキング・チェアです。
ケイ・スターさんの本作を「今日の1枚」で取り上げたのは、2005年10月23日のことでした。その際に私は「明るい声なのですが、妖しさが全く無い」とし、ジャズ歌手向きではないとの感想を書きました。酷いことを書いたものです。
今回の「つまみ食い」では、古びたロッキング・チェアに無理な姿勢で、しかし笑顔で座っているケイさんの歌を褒めてみたいです。
つまみ食い後
ケイさんは2016年にお亡くなりになったそうです、享年94歳でした。1990年代にはアルバムを発表し、2000年代に入ってもいろいろと活動しておりました。それだけアメリカ国民から慕われていた歌手なのでしょう。
そんな彼女が最も輝いていたのは、1940年代から1950年代にかけてあり、本作品はそんな時期のものです。一般的にはジャズ、ポップス、カントリー等の分野で鮮やかな活動をした歌手という評価なのですが、私は今回の「つまみ食い」で彼女のベースにブルース感覚があると感じました。ウィキペディアによればビリー・ホリデイがケイさんを「ブルースを歌うことができる唯一の白人女性」と評したとか。
「今日の1枚」で取り上げてから14年経ち、ようやく私はケイさんの魅力を理解できました。
(掲示板掲載 2019年4月18日から3日間)
参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)