Julie London
Calendar Girl

録音日 1956年5月2日(年月はジャケ記載データ、日は決め打ち

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 12枚のジュリーさんの写真が並ぶジャケです。LPなら見開き、CDなら両面に各六ヶ月の写真が掲載されています。その中でイス写真は1月、3月、7月、10月の四ヶ月となります。どれもジュリーさんのお綺麗な御足を強調すべく、イスが小道具として活躍しております。

 2003年1月2日に本作を「今日の1枚」で取り上げた際に私は、「4月の思い出」と「9月の雨」についてコメントしておりました。今回のつまみ食いでは、イス写真の四曲で感じたことを書きたいと思います。

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つまみ食い後

 1月は「1月も私には6月」、これは1934年の映画「我が胸は高鳴る」の主題歌で、ビング・グロスビーが歌ってヒットした曲です。1月でも恋に落ちている私には春の6月の気分、そんなこの歌をジュリーさんは、嬉しさいっぱいの乙女心で歌っております。

 3月は「哀愁の3月」、これはハーマン・サウンダースとドリー・ランドンの手による、寂しいもの同士の寄り添う心の曲です。やがてまた恋に出会う予感を、ジュリーさんはしっとりと歌っています。

 7月は「7月のそりすべり」、1944年の映画「ベル・オブ・ザ・ユーコン」でダイナ・ショアが歌っていた曲で、素敵なロマンスなんて見せかけだけのものだった、との気持ちの曲です。蜃気楼のようだった恋をジュリーさんは、自分を落ち着かせるように歌っております。

 10月は「今年の10月」、珍しい曲ですが、恋した10月は私は月にいる、といった内容の曲です。男性コーラスとの掛け合いを交えながらジュリーさんは、低音を効果的に使いながら、そして気持ちを落ち着かせながら歌っており、しかし恋の嬉しさが随所に漂う気分にさせています。

 「イス月」の4曲を今回はつまみ食いしましたが、この作品にはセミヌードのジュリーさんの写真による「13月」という曲もあります。恐らくはこのアルバムのために用意された曲なのですが、素敵な恋の思い出にもう一度、との願いを、ジュリーさんは揺れる気持ちで歌っております。

 以上の曲紹介は、私が持っている1990年国内盤CDの青木啓氏による封入解説からの引用でした。


(掲示板掲載 2020年7月24日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)