Ignasi Terraza
In A Sentimental Groove

録音日 2005年9月26日(ジャケ記載データ)

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 当初は今回の「つまみ食い」テーマを、「イス・ソファー ジャケ」と考えていました。しかし椅子の分類を見て行くと、ソファーも椅子の中に含まれていました。 イージーチェアとして分類されており、楽な姿勢で休むための椅子とのことです。

 ソファーは屋内で使用するだけではないと、本作品のジャケは主張しています。バルセロナの一角、サグラダ・ファミリア教会を間近に見える豪華な家の中の、解放空間にソファーが置かれています。雨の日はどうするのかという疑問はどうでも良いと感じる存在感が、このソファーにはありますね。

 2009年1月11日にこのイグナシ・テラザさんの作品を取り上げた際には、「哀愁漂う中での、緊張感が張り詰める瞬間が、何度も提示される作品です。日本人好みの作品」と感想を書きました。今回のつまみ食いでは、訪れたことがないバルセロナの雰囲気を思いながら、このピアノ・トリオを聴いて見ます。

1jcha04

つまみ食い後

 バルセロナの雰囲気と言っても、住んだことのない人間が目に浮かべるのは、サグラダ・ファミリア、カサ・ミラ、カサ・バトリョなどの観光名所になってしまいます。そこで生活している方々は、そんな所から一つ離れた通りがバルセロナの雰囲気なのでしょう。そういう所では、ハモン・セラーノやスペイン風オムレツという名物料理も、観光客が足を運ぶ有名店とは少し違った美味しさのものがあるのでしょう。

 イグナシさんの演奏を聴いてみると、そんな雰囲気は陽気さと愁いが同居するものでした。そに中で今回の「つまみ食い」で味わ深く聴いたのは、愁いの「An Emotional Dance」と「Canco No.6」でした。

 秀作だと改めて本作を感じながら、解放空間にソファーを置いてあるジャケのセンスの良さに見入りました。


(掲示板掲載 2019年4月21日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)