Bennie Wallace
Twilight Time

録音日 1985年1月1日(年はジャケ情報、月日は決め打ち

イス ジャケ作品をつまみ食い

つまみ食い前

 椅子分類を見ますと、ジャケにあるような背もたれのある椅子はダイニングチェアと呼ばれています。さらにジャケにはお揃いデザインのテーブルもありますので、正しく居間での食事のために椅子なのでしょう。

 さてベニー・ウォレスさんの本作を2002年5月12日に「今日の1枚」で取り上げた際には、私は酷評を書きました。今それを読み返し、恥ずかしい思いです。「楽しんで1回で終わる作品。録音の薄っぺらさが、それに輪をかけているね」と、書いてしましました。ただしこれは、その時の正直な感想であったことは、間違いありません。

 豪華なメンバーでの本作を、今回は「つまみ食い」することになりました。薄っぺらな人間だった17年前の私から、少しは成長した感想を書ければと考えています。

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つまみ食い後

 最初の曲「All Night Dance」は、1960年代後半の所謂サザン・ロックの香り漂うブルース・ロックであり、ジョンスコとウォレスの堅いパワーで胸のすく演奏を行なっています。他にも「テネシー・ワルツ」などタイプは違えど、アメリカ南部の香り漂う曲が並んでいます。この作品でプロデュース面でも重要な役割を果たしているというドクター・ジョンの存在も大きいものです。

 録音当時は、ウォレス38歳、ジョンスコ36歳、ドクター・ジョンは43歳です。この三人が幼少の1940年代後半から青年となった1960年代のまでに慣れ親しんだ南部の音楽を、この作品では愉楽を加えて表現したのでしょう。

 私が持っているのは国内CDですが、そこで岩浪氏が解説を書いているのですが、南部を理解できなければアメリカは理解出来ないとのことを書いています。NYばかり見ていてもアメリカは分からない、それでは富士山ゲイシャだけで日本を理解しようとしている外国人を笑っているのと同じだと、手厳しいことを書いております。

 「今日の1枚」で酷評した私は、17年経ってようやく本作の良さを感じることができました。


(掲示板掲載 2019年5月15日から3日間)


参考資料「Brutus Casa特別編集 超・椅子大全!」東京:株式会社マガジンハウス発行、2005年(文中ではイス資料と表記)